マネージャー育成コンサルタントの江田泰高です。
新入社員時代に「わからないことは、どんどん聞いて」と言う先輩社員はいなかったでしょうか。
確かに新入社員は、業界知識も社会人としての常識も持っていない場合が多いです。
そのため「聞かないで失敗するよりも聞いたほうがよい」と一般的に言われています。
ことわざにも「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」とありますからね。
しかし、本当に何でもかんでも聞くことは正しいのでしょうか。
世の中には、2種類の質問がある
私が大学時代にアルバイトをしていたときお世話になった先輩から
「世の中には、2種類の質問がある。あなたの価値を上げる質問とあなたの価値を下げる質問です」と教えていただきました。
この教えは、現在に至るまで私が最も大事にしている教えの一つです。
指導をしてくださる上司や先輩も暇を持て余しているわけではありません。
また質問に答えるために、お給料をもらっているわけでもありません。
質問を絶対にしてはいけないわけではありませんが、聞くべき質問を厳選する必要があります。
聞くべき質問を厳選しよう
インターネットや社内イントラで、少し調べればわかることについて尋ねる。
既に一度説明を受けた内容を繰り返し確認する。
そういった質問は、時間の浪費になるため「あなたの価値を下げる質問」に分類されます。
また、突拍子もない質問や多忙なタイミングでの急ぎではない質問などは、たとえ良い質問であったとしても「あなたの価値を下げる質問」です。
単純な質問は、仲の良い同僚や後輩に確認するなどし、上司への質問を厳選してもいいでしょう。
あなたの価値を上げる質問とは?
一方、「あなたの価値を上げる質問」は
「こんな理解ですが、正しいですか?」や「こうしたほうがいいと思うのですが、ご意見ください」など自分の認識確認や提案という形をとるもの。
あなたの新しい一面や視野の深さをアピールするチャンスになります。
たくさんの質問を投げかけるよりも、1件の筋の良い質問を心がけましょう。
転職の面接でも、質問の価値を意識して
この質問の考え方は、実は転職にも有効です。
中途採用面接で「最後に何か質問がありますか?」とほぼ100%聞かれます。
ここで「ありません」 と答えるのは実に勿体ないのです。
直近のニュースに関する話題、IR情報、事業戦略や将来のキャリアパスなど質問できる内容は無数にあります。
ニュース、IR情報、事業戦略について質問することで、企業研究を熱心に行なっており志望度が高いことが伝わると同時に経営的な視点を持っていることをアピールできます。
キャリアパスについての質問は、長期的にこの会社で働きたいことをアピールするのに有効です。
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価値を上げる質問なのか。 価値を下げる質問なのか。
その場で考えるのではなく、あらかじめ準備してから投げかけるようにしましょう。