マネージャー育成コンサルタントの江田泰高です。
前回の記事で「変えることができるもの、それほど変えるのが難しくないものを変えていきましょう」とお伝えしました。
私が考える「変えるのが難しくないもの」は、自分です。
達成したい目的から考えていく
前回の記事と同じケースで考えてみましょう。
あなたが新しく配属されてきた新人の教育担当です。
この新人は、何度も同じミスを繰り返し、注意しても一向に改善しません。
このケースをまずは「達成したい目的」で考えましょう。
あなたが達成したい目的は、新人がミスを繰り返さないように改善することです。
達成したい目的に対して、自らの反省点は?
達成したい目的は、モチベーションを下げることでも、彼を叱ることでもありません。
新人がミスを繰り返さないように改善するためには「なぜ何度同じミスが発生するのか?」を探る必要があります。
直接的には新人の過失ですが、指導が適切ではなかった可能性も考えられます。
ですから、「自らの反省点」という観点からもこのケースを見ていってください。
どんなに経験を積んだトレーナーであっても、100%完璧な指導などあり得ません。
教える生徒が変われば、指導方法も合わせて調整する必要があります。
これらの点を踏まえて、自らの指導方法を振り返ってみてください。
その新人に合っていない指導があったのであれば、変化させましょう。
新人の業務が改善できる可能性が高まります。
新人の行動に依存するのではなく、自らを変えるやり方であれば確実に実行することができるのです。
相手を動かしたいときも使える
指導以外でも「自分を変える」アプローチは、非常に有効です。
職場で誰かに仕事を依頼することは、頻繁に発生しますよね。
その際、なかなか対応してもらえず困ったら、「達成したい目的」と「自らの反省点」で考えてみてください。
「達成したい目的」が
納期までに依頼した仕事を完了してもらうことだったとしたら
「自らの反省点」は
自分の依頼するタイミングやお願いの仕方などを見直してみることです。
余裕をもって依頼するだけで、受け取る側は仕事の調整が楽になります。
最後にありがとうのお礼とコーヒーをご馳走するだけで、またお手伝いしようと思ってくれるでしょう。
「自分を変える」アプローチを
相手の不満を口にするだけなら誰でもできます。
ですが、それでは状況は変わりません。
しかし、自分自身を変えることで周りの人に影響を与えることは可能です。
繰り返しになりますが、何事も100%の人は存在しません。
そして、物事を 今よりも少し良くすることは誰にでもできます。
ぜひ、一歩下がって自分自身を客観的に見てください。
自分を更に成長させてくれるヒントがそこにあるはずです。