【連載】自分を高く売る

元採用担当が教える、面接官に響くエピソードの作り方

マネージャー育成コンサルタントの江田泰高です。

中途面接のときに必ずといっていいほど、よく聞かれる質問があります。

「過去に改善をした経験について教えてください」

「プロジェクトで非常に苦労したことについて説明してください」

面接官がエピソード系の質問をしてくるのは、あなたの論理的思考能力と経験の再現性を知りたいからです。

当然、即戦力としての入社を期待されているのでこれまでの経験をうまく活用しなるべく早く活躍してもらおうと考えています。

多くの候補者は、伝え方で損をしている

ですが、多くの候補者は伝え方で損をしています。

本来、経験に関する質問は型に当てはめるだけで、非常に論理的で再現性のある事例として伝えることができるにもかかわらず、です。

すべてのエピソード型に当てはまるので、ぜひ覚えてください。

説得力のあるエピソードの作り方を知っておこう

実際の型を使って、説得力のあるエピソードを作ってみましょう。

説得力のあるエピソードSTEP1:現状

現状について説明します。問題点について説明できるとよいでしょう。

AチームとBチームの連携に問題がありミスが多発していました

説得力のあるエピソードSTEP2:アクション

問題を解決するために自分がどのような行動をとったか説明します。

AチームとBチームのそれぞれからヒアリングを実施することで、ミスの原因について調査を行なうことにしました

説得力のあるエピソードSTEP3:選択肢

アクションから導き出した複数の選択肢について説明します。

チーム間の連携強化のためにミーティングの実施、人員の増強、トレーニングの実施などの案を考えました

説得力のあるエピソードSTEP4:優先順位

選択肢のなかで、優先順位を決めます。

人員の増強とトレーニングは時間が掛かるため、最も早く取り掛かれるミーティングを実施することから始めました

説得力のあるエピソードSTEP5:実行/結果

優先順位に基づいて実行した選択肢について、結果と反省などを説明します。

定期的なミーティングを設定することで、問題が発生する前に対応できるようになりました。

またミーティングのなかでチェックシートの作成など新しい案が次々と出てくることで継続的な改善が行なわれています

相手の期待値に応えられるエピソードを作ろう

「1現状 → 2アクション → 3選択肢 → 4優先順位 → 5 実行/結果」の順番で物語を構成すると非常に説得力のある良いエピソードを作ることができるのをお分かりいただけましたか?

ぜひ、このステップに合わせて自分だけのアピールエピソードを作成してみてください。

意識しておくべきなのは、アピールするエピソードが面接官の求めている人物像の「期待値」に合っているか。どのエピソードを選ぶか。

社会人経験が長くなればなるほど様々な経験をします。

いくつもあるエピソードのなかから、どのエピソードを選ぶのが最も効果的で、面接官の期待値に応えられるかを考えてください。

10年目の社員が1年目のエピソードを選んでもアピールになりません。

限られた時間のなかで最大限、自分を魅力的に映すエピソードを伝えることで、あなたの本当の価値を相手の会社に伝えることができるはずです。

 

ABOUT ME
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Yasutaka Eda
『正しく評価してくれないこの会社に限界を感じたとき読む本』の著者、アトワジャパン株式会社 取締役。元戦略コンサルタント、外資系メーカーでの部長職を歴任。人材育成のプロフェッショナル。