マネージャー育成コンサルタントの江田泰高です。
前回の記事で「ミスコミュニケーションは自分基準が要因だ」と書きました。
では、会社内でのコミュニケーションで行き違いを防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。
ミスコミュニケーションは相手と目線を合わすことで防げる
そこで意識していただきたいのが、話をする前に相手との目線を合わせること。
例えば、子どもに「飛行機はなぜ飛ぶことができるの?」と質問をされたら、どんな風に答えますか?
物理の法則や空気抵抗の話をしても理解できないでしょうから、子どものレべルに合わせて「ジェットエンジンが加速してそのスピードで空を飛ぶの」といった感じの説明をするのではないでしょうか。
一方、大学の理工学部に通う学生に同じ質問をされたとしたら、物理の法則や空気抵抗の話に加えて、複雑な計算式や物理理論で説明する必要があるかもしれません。
つまり、これから話題とする事柄に対して、コミュニケーションをとる相手がどの程度まで理解しているのかを判断することが大切となってきます。
そうするとお互いの考え方や基準、理解度に違いがあることを認めた上で会話をすることになるので、意図的にギャップを埋める作業を行なうことができます。
全体像から話せば、相手の目線を知ることができる
ですが、一般社会や会社内においては、理解度を瞬時に判断することは容易ではありません。
理解度を調整し、相手と同じ目線で話をするためには、どうしたらよいのでしょうか。
答えは、簡単です。
いきなり詳細から話すのではなく、まず簡略化した全体像から話をすればいいのです。
比較的簡単な大枠から話を進めることで、コミュニケーション相手の理解を確認しつつ話を進めることができます。
そのため、本題部分が複雑であっても、お互いに理解し合いながらコミュニケーションをとることができるのです。
複数人が参加する「会議」などでもミスコミュニケーションを防げる
この手法は、理解度の異なる方が多く出席している会議などでも有効です。
全員で重要な言葉の定義、前提や目的といった内容などをあらかじめ共有することで参加者の目線がそろった状態で本題に入ることができ、スムーズに議論を進めていくことができます。
この作業は、初めて話をする際や大人数での打ち合わせを実施する際に一度おこなうだけでOK。
二回目以降はその経験を元に理解度を調整していけばいいので、問題ありません。
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上司や会社内でコミュニケーションがうまくとれていないと感じたら、相手と自分の目線が合っているかを一度確認してみてください。
もしも目線や理解度にズレがあるのであれば、本題に入る前に調整するのを忘れないようにしましょう。