マネージャー育成コンサルタントの江田泰高です。
新型コロナウイルスの影響が日本だけでなく世界、また様々な業界に影響を与えていますね。
一般的に市場への打撃は、会社の売上に打撃を与えます。打撃を受けた会社の売り上げは落ち、社員に影響を与えるのです。
こういった流れは、通常の仕事では見えません。
ですが、こういったマクロ的(国、経済全体)な視点を持ち、会社全体としてどうなっていくのかを理解せずに、自分の部署の方向性を考えていけないのです。
管理職が持つべき「経営者視点」で把握すべき、3つの影響
1:市場に与える影響
新型コロナウイルスの発生により、規制もかかっていることにより、外出を控える人が増えています。
そのため、観光・旅行業界、小売業界(デパート、アパレルなど)の売上は減少。一方で、フードデリバリーを始め、ドラッグストアなど、衛生用品や新型コロナウイルスを予防できるであろうものを取り扱っている業界は局地的ですが売上は上がっているでしょう。
ですが、市場全体に見ると、売上は下がっているといえます。
自身の会社が属する市場に、新型コロナウイルスなどの非常事態ではどんな影響があるのか。どういう状況に陥りそうなのかを考える必要があるのです。
2:売上に与える影響
市場に予想通りの影響があった場合、会社の売上はどういった影響があるのかを考えましょう。
海外で生産している製品であれば、国の要請で工場を閉鎖せざるおえないところもあるでしょう。
そうなると、商品の製造は止まりますから、売りたくても売れないという状況も出てくるのです。
3:社員に与える影響
会社の売上が下がると、作業量を減らす必要があります。
残業代を削減したり、そもそも作業する人を減らしたり、休業する企業も出てくるでしょう。
また、売上が下がることで、会社に属する社員の給料を払うことも難しくなってきます。
リストラをおこなう企業も出てくるでしょうし、最悪の場合、資金繰りによっては倒産もありえるのではないでしょうか。
管理職の「リーダーシップ」も、より求められている
部署に責任を持つ管理職は、日々の業務に追われるのではなく、常に経営者目線で全体を見ていないと今のような非常事態でどうしたらいいかが考えられません。
そして、今のような経済状況で求められているのは、本当の意味での『リーダーシップ』です。
1:冷静で客観的な判断軸を持つ
これは日頃から、管理職が持っていないといけません。途中で方針がコロコロ変わると、現場は混乱してしまいます。
何を重視するべきかを、ぶれずに、自信を持って判断する必要があるのです。
社員を守り、お客様に迷惑を掛けない判断をするためにも、優先順位をつけるようにしましょう。
普段から何を軸に判断しているかを認識しておくと、常に早く判断ができます。
判断軸の無い管理職は、緊急事態で対応ができず、ただあたふたするだけです。
2:様々なシナリオを想定する
「〜〜となったら、どうするか」を常日頃から考えておきましょう。
管理職として大事な仕事を任される立場であればあるほど、トラブルはつきものです。
経験していないトラブルに対応するのは、どれくらい想定していたかが問われます。
様々なシナリオを想定しておくことで、慌てずに対応できるのです。
3:想定したシナリオに対して、対応策を事前に用意する
今ですと「職場で新型コロナウイルスに感染した社員がいることが判明した」場合
- 社員・取引先・お客様・自治体へのコミュニケーションの方法はどうする?
- テレワーク、在宅勤務に切り替えて、オフィスを閉鎖するのか?
- オフィスを閉鎖するのであれば、いつまで閉鎖するのか?
- テレワーク中の業務をどの様にフォローするのか?
これらの対応策を事前に用意しておくのです。そうすることで、非常事態が起きても冷静に対処できます。
*
一方で、新型コロナウイルスの拡大など、イレギュラーで今まであまりなかった事象を想定できた人は少なかったのではないでしょうか。
本来は、地震などの災害と同様に普段からリスクとして考えておかないといけないことですが、実際問題として全てのリスクに対応策を講じるのは難しいのも事実でしょう。
ですから、今回の経験をしっかりと次につなげてください。
そして、今からでも遅くありません。経営者視点とリーダーシップで、より良い方向にチームを導けるように管理職としての責務を全うしましょう。