【連載】自分を高く売る

ファクト選びと相手への理解が、ファクトベースのコミュニケーション力をより高める

マネージャー育成コンサルタントの江田泰高です。

前回の記事『交渉ごとに強くなる「ファクトベースのコミュニケーション」』で、

自身の意見や考えを伝えるコミュニケーションではなく、客観的な事実や結果を伝える「ファクトベースのコミュニケーション」を意識することで交渉力がUPするとお伝えしました。

ただ、ファクトはなんでもいいわけではありません。

あなたの主張(オピニオン)をサポートするファクトの中でも、より相手を納得させる可能性の高い事実を選ぶことが大切です。

納得感の高いファクトは、主張の後押し&防御に

「日本の景気は、好調である」という主張に対する根拠として、「街角アンケート」と「日本政府発行のGDPグラフ」があったとしたら、情報量の多い後者のほうが、より強力なファクトですから、どちらか一つを選ぶ場合は後者を選びましょう。

こうやって、より強力なファクトを探して理論武装していくことは、自らの主張を突き通す「強力な武器」を手にしていることになります。

それと同時に、相手の主張から身を守る「鉄壁の防御」を作っていることにもなり得るのです。

相手を意識することも忘れずに

そして、ファクトベースのコミュニケーションも通常のコミュニケーションと同様に、相手を意識することを忘れないようにしてください。

相手がより納得するように、効果的な順番で伝えるようにするのです

システムトラブルで生産ラインが止まったということが起きたとしましょう。

営業は、お客様への影響や売上に対するインパクトを知りたいでしょうし

財務は、コストインパクトを知りたいでしょうし

人事であれば、従業員の残業に関する情報が知りたいでしょう。

このように、相手の立場によって知りたいポイントは異なるのです。

相手が重視している価値観を把握する。

そして、その相手を説得するのにより強力なファクトを手にいれる。

この2つを意識するだけで、あなたの交渉能力は数段変わってくるのではないでしょうか。

直近の交渉が必要な問題において、まずは試してみてくださいね。

 

ABOUT ME
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Yasutaka Eda
『正しく評価してくれないこの会社に限界を感じたとき読む本』の著者、アトワジャパン株式会社 取締役。元戦略コンサルタント、外資系メーカーでの部長職を歴任。人材育成のプロフェッショナル。