【連載】自分を高く売る

視野が広がる「マネージメント視点」の磨き方

マネージャー育成コンサルタントの江田泰高です。

前回の記事『マネージメント視点を持って、視野を広げる』でマネージメント視点を持つことの重要性を伝えました。

「具体的にどうやってマネージメント視点を磨けばいいんだ?」とお思いの方もおられるでしょう。

そんな方に試して欲しいのが、ロールプレイです。

マネージメント視点を鍛える「ロールプレイ」

近年では、実践的な営業や接客のトレーニングの方法としてロールプレイを導入している企業も増えています。

ロールプレイは、読んで字のごとく Role(役割) を Play(演じる)ことで、立場を追体験することで疑似的な経験値を得ることを目的としています。

私自身が部下を指導するときに行っていたロールプレイは

毎日、私が提示する「実際に起こったトラブルについて」マネージャーや部長の立場で考えてもらうもの。

倉庫で火事が起こったら? お客様からクレームを受けたら? 今なら、チームメンバーがコロナに感染したら? などです。

自身がマネージメントの立場であったら、どういった対応をするのか考えてもらうのです。

この時、可能な限り身近なマネージメントをしている方を想定してみると、考えやすいかもしれません。

昔の上司や同僚などを思い浮かべながら「彼/彼女であればどのように行動するか」を考えてみるのです。

「自分以外の他人がどう考えるか」を整理することで、客観的に物事を見る視点を身に付けることができます。

ロールプレイを繰り返すと、視野が広がる

そうやって考えてもらった、これらのトラブルについて対応する順番やポイントを、その日の終わりや翌日に部下と一緒に復習。これを繰り返します。

最初のうちは考えが足りない部分もありましたが、件数をこなすうちにマネージャーとしての考え方の型が身に付いてくるのです。

実際に、イメージしたマネージメントの立場の方へ直接アドバイスを求めるのもよいでしょう。

慣れてきて身近な方が「どう考えるか」を理解できたら次は、社長や部長など自分よりも少し遠いポジションにいる方の頭の中を想像する。

これを繰り返していくと、視野がドンドン広がっていきます。

余裕がある方は、他部署での決定に対し「自分だったら、どう考えるか」も考えるようにしてみてください。

相手の動きを先読みできるようになるだけでなく、不測の事態が起きたとしても素早く決断を下せるようになります。

マネージメントとしての視点は、一朝一夕で身に付けられるものではありません。

日ごろから、誰が何を考えているかを意識すると同時に、自分だったらどうするかを考え続ける必要があります。

繰り返しトレーニングを積むことでマネージメントに必要な判断軸や独自の視点を身に付けることができるのです。

 

ABOUT ME
アバター
Yasutaka Eda
『正しく評価してくれないこの会社に限界を感じたとき読む本』の著者、アトワジャパン株式会社 取締役。元戦略コンサルタント、外資系メーカーでの部長職を歴任。人材育成のプロフェッショナル。