【連載】自分を高く売る

職場で高い評価を得たいのであれば、自分より優れている人の真似から始めよう

マネージャー育成コンサルタントの江田泰高です。

学校を始めとする教育システムが世界的に確立してきたのは、ここ100〜200年のことと言われています。

教育システムの発展とともに、経営のプロ、料理のプロ、教育のプロ、医療のプロなど様々な分野でのプロフェッショナルを短期的に育成することが可能になりました。

ある一定のレベルまでは誰もがいける

これらの教育システムは、ある一定レベルまでプロフェッショナルを育成することを目的としており、プロフェッショナルの頂点である一流を育成することを目的とはしていないという特徴があります。

そもそも一流の定義は、1つではありません。

スポーツ選手や料理人のように、それぞれのプロフェッショナルが目指す方向性によって、必要な技能やスタイルは異なるからです。

一定の基礎に関しては、クラブや学校などで習得します。

しかし、基礎習得後は、プロフェッショナルとして個性を伸ばし一流を目指して日々精進していくのです。

技能レベルの高い集団の中で、更なる高みを目指すために一流と呼ばれるスポーツ選手や職人は、自分と先輩や師匠との僅かな差を埋めるための努力を繰り返しています。

更なる高みを目指したいなら「盗む」

その最も有効な方法の一つが「技術を盗む」ことです。

伝統工芸の世界では、体系的に教育を行なうのではなく「師匠に弟子入りし、師匠の仕事を何度も繰り返し見ることで技術を習得する」といいます。

特に技術が必要な作業に関しては、工程ごとの得意、不得意によって各職人の技術力にバラツキがあるため、最も優れた技術を持つ職人を基準にし、自分の技能を高めていくのです。

それにより理想に少しずつ近づいていくことができます。

これはビジネスの世界においても、同じことが言えます。

プレゼンテーションやファシリテーションを始め、営業でのセールストークやクロージングなど日々の業務のそれぞれに、他の社員と比べて優秀と思える人は周りにいるはずです。

彼らを観察したり、教えてもらえるようにお願いしたり、自身の作ったものを見てもらうのもいいでしょう。

「反面教師にする」という手も

一方で、能力の低い上司と仕事をすることもあると思います。

その際は、その方がなぜそのポジションにいるのかを考えてみるといいです。

役職が与えられているということは、あなたの見えていないところで、何か評価されるポイントが必ずあるはず。そこにあなたの成長のヒントがあるかもしれません。 

また、反面教師として、その上司を活用することもできます。

反面教師の失敗を通じて、将来の自分の行動を正すことができれば「優れた人を真似る」のと同じ効果を得ることができます。

謙虚に新しいことを学ぶ姿勢を持とう

プロフェッショナルから一流のプロフェッショナルになる方法は、日々の成長と進化を繰り返すしかありません。

他のプロフェッショナルの優れた要素を吸収し、反面教師を活用して未来の自分の行動を律し、自分自身を強化することで理想の自分に近づいていくことができます。

そのためにもつねに謙虚に新しいことを学ぶ姿勢を持ちましょう。

「私だったら……」という視点を持ち続けてください。

理想の自分に近づけば、職場での高い評価を得ることに繋がっていきます。

 

ABOUT ME
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Yasutaka Eda
『正しく評価してくれないこの会社に限界を感じたとき読む本』の著者、アトワジャパン株式会社 取締役。元戦略コンサルタント、外資系メーカーでの部長職を歴任。人材育成のプロフェッショナル。