【連載】自分を高く売る

節目ごとに複数の選択肢があることを理解し、一番理想に近くて納得ができるものを選ぼう

マネージャー育成コンサルタントの江田泰高です。

前回の記事で「キャリアは、あなただけの物語である」とご紹介しました。

ですが、多くの人は「どうやってその物語を築いていくかが分からない」とお思いではないでしょうか。具体的な例を見ながら考えていきましょう。

キャリアの選択肢に気づこう

たとえば入社5年目、27歳の物流会社に勤務する営業マンがいたとしましょう。

彼は、新卒で大手の物流会社に入社しました。

倉庫の現場からキャリアをスタートさせ、船の手配を含めた国際輸送に携わることができ、

同期のなかでもチャンスに恵まれ、海外法人で勤務することもできました。

この時点で彼には、いくつかの選択肢ができます。

1:現在の会社に残り、見識を更に深めて管理職を目指す

変化が最も少なく楽な選択肢です。

社内である程度評価をされていれば居心地が良く、将来的に幹部も目指すことができます。

一方で、物流会社のみの経験に限定されるため、数年後に転職を考えた場合、物流会社以外の転職は困難になることが想定されます。

2:お客様側(メーカーの物流部)に転職する

物流会社のお客様である荷主に転職することで、物流会社では経験できない知識を得ることができ、数年後にもう一度転職を考えた際に物流会社だけでなくメーカー物流部も選択肢として選ぶことができます。

デメリットとしては、たとえ物流会社での経験があってもメーカーは初心者のため、下積みからのスタートとなる可能性が高いです。

3:コンサルタントに転職する

物流会社の経験を活かし、コンサルタントとして働くことです。

業界知識を活用することができると同時に、コンサルタントとしてのスキルを学ぶこともできます。

複数の企業のプロジェクトに参画することで、多くの企業の物流や戦略についても知る機会があり、将来的には、知見を活かしてメーカーの物流マネージャーや部長職を目指すことも可能です。

あなたなら、どれを選びますか?

あなただけのキャリアを築いていこう

このとき、彼が選択したのは「3番」の選択肢でした。

その2年後、コンサルタントとして実力を付けた彼は、外資系メーカーの物流部門長となって輸出入・倉庫運営・配送をすべて統括することになりました。

実は、これは私の過去の経験です。

当時この選択肢を選んだからこそ、今の自分がいます。

そして転職の節目ごとに、同じようにいくつかのシナリオを描き、一番理想に近い選択肢を選んできました。

そして幸運なことに非常に幸せなキャリアを築くことができています。

昨今は、日本を代表する企業であっても買収の憂き目に遭い、事業再編を余儀なくされ、倒産で姿を消してしまうケースもたくさんあります。

終身雇用制が崩壊し始めている今だからこそ、家族や生活を守るために会社の看板に依存する働き方から自らの力で仕事を選ぶ働き方にシフトすべきです。

そのためには社会に必要とされる「実力」を身に付けること。

そうすれば、どの会社に行っても生き抜くことができるはずです。

 

ABOUT ME
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Yasutaka Eda
『正しく評価してくれないこの会社に限界を感じたとき読む本』の著者、アトワジャパン株式会社 取締役。元戦略コンサルタント、外資系メーカーでの部長職を歴任。人材育成のプロフェッショナル。