【連載】自分を高く売る

日々の信用貯金で、協力してくれるファンを一人でも多く作る大切さ

マネージャー育成コンサルタントの江田泰高です。

規模の違いはありますが、仕事は一人で完結できるものではありません。

様々な人と協力をしながら物事を前に進めていくことが必要です。

どんなに優秀だったとしても孤立無援で周りの人がサポートしてくれないのであれば、本来のパフォーマンスを発揮することはできません。

そのため、社内外にあなたの理解者・協力者を一人でも多く作ることが必要になります。

ファンを作るには「信用」が必要

理解者・協力者を得るためには、相手から「信用」を勝ち取らなければなりません。

人は、誰もが自分や所属する組織の利害を重視します。

しかし判断の軸は、利害関係だけではありません。

最終的には、人と人の「信用」が物事を決めています。

つまり、あなたのことを「信用」し、協力してくれるファンを一人でも多く作ることが成功の秘訣なのです。

信用は「日ごろの行動」で勝ち取るもの

では、どのように「信用」を勝ち取るのか。

それは、日ごろの行動を積み重ねるしかありません。

嘘をつかず誠実に対応する。

約束の時間を守る。

笑顔で協力を申し出る。

メールにはすぐに返信する。

頼み事を引き受ける。

ビジネスマンとして当たり前の対応ですが、忙しいと後回しにしがちです。

頼みごとをする立場に立ってみると、自分に対して協力的な方には何かあったときに協力したくなりませんか?

つまり、これだけのことができるだけで信用を得ることができますし、物事を頼まれたときは信用を得るチャンスだとも言えます。

この考え方を英語では「give and take」、日本語では「貸し借り」と表現します。

大切なのは「貸し」を貯金すること

重要なのは、すぐにリターンを求めるのではなく「貸し」を貯金しておくことです。

「貸し」の貯金残高が多ければ多いほど、信用力が上がります。

逆に「貸し」 の残高が少なく「借り」が多く信用力が低い場合、積極的な協力を引き出せない可能性が高まります。

信用は、個人の財産

「信用」は、個人にとって最も大きな財産の一つです。

目に見えないので、会社を退職した後も「あのときに、お世話になったので」と貯金を繰り越すことができます。 

しかし、短期的な利益のために人を利用したり、裏切ったりすると「信用」は地に落ちます。負の評判は、これまで築いてきた人間関係をあっという間に崩壊させるのです。

一度、傷ついた「信用」は、負の資産として付いてまわります。

新しい「信用」 を構築する上で弊害となるのです。

「信用」を回復させるのも至難の業ですから、十分に注意してください。

フィードバックをうまく使って

信用力を高めるためには「貸し」を貯金するのが一番ですが、頼まれ事を待っているだけではあまり残高は増えません。

そこでお勧めなのが「フィードバック」 の活用です。

自分自身や部署の対応について、積極的に「フィードバック」を貰うように心がけましょう。

そうすると、「もっと〇〇をしてほしい」などの要望や「〇〇は、止めてほしい」などのクレームといった声が聞こえてくるはずです。

これらの声に速やかに対応すると、あなたと部署に対する「信用」が高まり、協力的なパートナーとなってくれるのです。

協力してくれるファンを一人でも多く作るよう、日々、信用を貯金していきましょう。

 

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Yasutaka Eda
『正しく評価してくれないこの会社に限界を感じたとき読む本』の著者、アトワジャパン株式会社 取締役。元戦略コンサルタント、外資系メーカーでの部長職を歴任。人材育成のプロフェッショナル。