【連載】自分を高く売る

「見える化」「仕組み化」で付加価値のある仕事をしよう

マネージャー育成コンサルタントの江田泰高です。

日常の業務を確実にこなすことは、非常に大事です。

しかし、日常の業務で評価を得るためにアピールするのは難しいもの。

日常の業務は「できて当然」と捉えられてしまうため、アピールとしては弱いのです。

一方で、新しい試みや改善など「成果の出る仕事」は付加価値があるため、アピールに向いています。

高い評価を得るためには、少しでも多く「成果の出る仕事」にフォーカスするべきなのです。

成果の出る仕事にフォーカスするために、業務を見える化しよう

「成果の出る仕事」にフォーカスするためには、可能な限り少ない労力で日々のオペレーションを回す必要があります。

ここで重要になってくるのが「業務の見える化」です。

現在、あなたやあなたのチームが担っている仕事をすべて棚卸しします。

棚卸しの過程で、作業プロセスや責任の所在を明らかにしたマニュアルを作成してもよいでしょう。

そうすることで、仕事に含まれる重複作業、不必要な作業や本来の担当外の仕事を発見することができるはずです。

これらを整理して無駄を徹底的に排除しスリム化することで、本来注力するべき仕事にリソースを集中することができます。

パフォーマンスの見える化で管理がしやすくなる

ある程度の業務整理とスリム化を実現できたら、次はパフォーマンスの「見える化」を行ないましょう。

これは、通常オペレーションが適切に機能しているかをモニタリングする「仕組み」を作ることを意味します。 

営業であれば、訪問回数や売上実績などを日々のKPI(主要業績評価指標) として管理する。

物流であれば、保管率や誤配率などがKPIになります。

これらの主要KPIをモニタリングすることで、ビジネスの状況を事細かに見ていなくても経営判断を下すことができるようになるのです。

KPI以外にも、関連部署と定期的なミーティングを設定することや定期的にメンバーに個別指導を行なうなど、パフォーマンスを維持する「仕組み」を導入することも効果的です。

継続的に改善することが、大きな成果につながる

「見える化」も「仕組み化」も一度やったら終わりではありません。

これらを維持すると同時に、継続的に改善を行なう必要があります。

小さな改善であったとしても、積み重ねることで大きな成果に繋げることができます。

たとえば、プリンターの位置。

チームメンバー5名が座るデスクから30秒の位置にプリンターがあると仮定します。

それぞれのメンバーが、平均で1日に10回印刷をすると「10回×5人×30秒×2(往復)=50分」。年間250営業日と仮定すると、累計200時間に相当します。

この時間を別のことに使えば、今よりも大きな成果を上げることができると思いませんか?

本記事の読者には、一般社員の方も大勢いると思います。

「見える化」や「仕組み化」は、管理職の方に積極的に取り組んでもらいたいことですが、管理職でなくてもできることでもあるのです。

管理職でなくてもできる「見える化」「仕組み化」

自身の業務を見直し、少しでも効率化することを意識してみてください。

そうすることで、後輩の指導や自分の興味のある仕事に力を注ぐことができるようになります。

あなたが諸先輩から引き継いだ仕事は、引き継いだときと同じ状態ですか?

もし同じ状態であるなら、あなたがこの業務をやっている付加価値は何なのでしょう?

少しずつでもいいので、効率化を意識してみてください。

そうすることで、 あなたの価値は確実に上がっていきます。

 

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Yasutaka Eda
『正しく評価してくれないこの会社に限界を感じたとき読む本』の著者、アトワジャパン株式会社 取締役。元戦略コンサルタント、外資系メーカーでの部長職を歴任。人材育成のプロフェッショナル。