【連載】自分を高く売る

セルフブランディングの目的から、行動を逆算していく

マネージャー育成コンサルタントの江田泰高です。

前回の記事『印象が仕事のしやすさや昇進に影響する』で、「結果としての印象」から「意図的に好印象を演出」する戦略に方向転換することをお勧めしました。

実際のブランドを例に、その方法を考えていきましょう。

周りに持ってほしいイメージから、逆算する

世界的なスーツケースメーカーで「サムソナイト」という会社があります。

私が消費者として持つサムソナイトのイメージは、頑丈で軽量のスーツケースを作っている会社です。

ホームページを拝見すると「最軽量」、「驚きの衝撃耐性」などの単語が目につきます。

サムソナイトにかかわらず、すべてのブランドは消費者を見ています。

消費者にどのような印象を持ってもらいたいかを考えた上で、様々なマーケティング施策に落とし込んでいくのです。

ブランドイメージを確立させることで、ブランドそのものが安心、安全、そして品質の保証をすることになります。

「サムソナイト製であれば、基本的に軽量で頑丈であるから安心して買える」と消費者に思ってもらえるようになるのです。

これを、個人のブランディングに当てはめて考えていきましょう。

セルフブランディングの目的をしっかりと固める

まず考える必要があるのは「セルフブランディングの目的」です。

通常のブランドでは「ターゲットであるセグメントの消費者に商品を購入していただく」という明確な目的があります。

セルフブランディングの場合は、各個人によって目的が異なりますよね。

会社員であれば、マネージャーに昇格するためや別の部署に異動するためかもしれません。

個人事業主であれば、クライアントから案件をとるためかもしれません。

どのように見られたいかから、行動を逆算する

目的を明確に意識した後に「自分がどのように見られたいか」を検討していきましょう。

マネージャーに昇格することがセルフブランディングの目的ならば、マネージャーとしての役割を果たせることをアピールすることが効果的です。

他部署との打ち合わせでファシリテーターを担当してもよいかもしれませんし、自主的にチームの改善活動のリーダーに立候補する、上司の代わりに会議資料を作る。

マネージャーとしての資質をアピールする行動をとっていきましょう。

にもかかわらず、経理に異動を志望するのは、マネージャーに昇格することを目的とした場合には直接的なプラス評価には繋がりません。

事務処理能力や財務会計知識などをアピールしたいなら、効果的でしょうが。

実は、セルフブランディングを効果的に活用しているのは一握りの方だけです。

まずは、自分の目的に合わせて相手にどんな印象を持ってほしいかを考えてください。

自分自身に簡単なタグラインやキャッチフレーズを考えるのもお勧めします。

あなたが意識的に周りに与えた印象が、新しいチャンスを運んできてくれるはずです。

 

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Yasutaka Eda
『正しく評価してくれないこの会社に限界を感じたとき読む本』の著者、アトワジャパン株式会社 取締役。元戦略コンサルタント、外資系メーカーでの部長職を歴任。人材育成のプロフェッショナル。